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税理士の科目合格者は1科目でも転職に有利?年収や転職成功のポイントを解説

税理士試験は、全11科目のうち必須科目を含む5科目に合格することで資格が取得できます。

しかし、全科目合格していない状態であっても転職・就職に有利に働く場合があります。

そんな税理士の科目合格者の転職活動について、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。

税理士試験の科目合格者でも転職できる?

科目合格者の年収相場は?

科目合格者が転職・就職するのにおすすめの転職エージェントは?

本記事では、税理士試験の科目合格者は、転職にどの程度有利にはたらくのかを解説します。

転職を成功させるポイントや年収の相場、おすすめの転職エージェントなども紹介するので、税理士の資格取得を目指している方は参考にしてください。

なお、実際に転職活動をするにあたってどのエージェントを使用するか迷う方は、税理士の求人数が業界最多クラスのヒュープロがおすすめです。

目次

税理士試験の科目合格者は実務未経験でも転職や就職に有利?

税理士試験の科目合格者は実務未経験でも転職や就職に有利?

税理士試験の科目合格者は、実務未経験でも転職や就職に有利なのか、概要について解説します。

結論からいえば有利に働きますが、押さえておきたいポイントがあり、以下のとおりです。

  • 税理士試験の1科目だけの合格でも有利
  • 税理士科目合格者の市場価値が上がった理由
  • 税理士科目合格者は一般企業でも需要がある
  • 税理士科目に合格すれば有効期限はない

税理士資格の取得を目指している方はぜひチェックしてみてください。

税理士試験の1科目だけの合格でも有利

税理士試験は1科目だけの合格者でも、転職においては有利に働きます。

そもそも、税理士試験は以下の11科目のうち、必修科目を含めた5科目の合格が必要です。

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科目名備考
簿記論必修科目
財務諸表論必修科目
所得税法法人税法といずれか必修
法人税法所得税法といずれか必修
相続税法選択科目
国税徴収法選択科目
固定資産税選択科目
酒税法・選択科目
・消費税法とどちらかしか受けられない
消費税法・選択科目
・酒税法とどちらかしか受けられない
事業税・選択科目
・住民税とどちらかしか受けられない
住民税・選択科目
・事業税とどちらかしか受けられない

税理士試験の合格率は15%から20%と難易度が高く、1科目合格するだけでも難しいことから、就職でも有利にはたらきます。

もちろん科目合格者よりも税理士資格を持っていた方が有利ではあるので、最終的には税理士資格の取得を目指すのが良いでしょう。

税理士科目合格者の市場価値が上がった理由

税理士科目合格者の市場価値が上がった理由は、科目合格者の数が年々減少していることが原因として考えられます。

過去10年間の受験者数と5科目合格者数の推移は以下の通りです。

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試験年度受験者数5科目到達者数
2023年32,893人600人
2022年28,853人620人
2021年27,299人585人
2020年26,673人648人
2019年29,779人672人
2018年30,850人749人
2017年32,974人795人
2016年35,589人756人
2015年38,175人835人
2014年41,031人910人
参考:国税庁 税理士試験

増減はあるものの全体的に減少傾向で、税理士試験の合格者は転職市場においては貴重な人材となっています。

税理士科目合格者は一般企業でも需要がある

合格者の絶対数が減少傾向にあることから、科目合格者も一般企業では需要があります。

ただし、注意点としては「どの科目に合格しているか」も重要です。

たとえば、「酒税法」に科目合格している方と簿記論などの会計全般を包括する科目に合格している方では、簿記論の方が実務で即戦力になることが期待され有利にはたらくでしょう。

そのため、科目合格した時点での転職を考えている方は、必修科目でもある簿記論や財務諸表論の合格から目指してみてはいかがでしょう。

税理士科目に合格すれば有効期限はない

税理士試験の合格科目に、有効期限は設けられていません。

そのため、最終的に何年かかっても5科目合格にたどり着けば税理士資格は取得できます。

難易度も高く科目数も多いため、10年程度かかって税理士になる方も珍しくはありません。

ただし、その間にも法改正などは行われるため、実務に携わるときに知識をアップデートしていく必要はあります。

5科目合格を目指しながら仕事をしたい方は、1科目合格した時点で転職活動を始めるのもOKです。

税理士試験の科目合格者やBig4税理士法人の年収

税理士試験の科目合格者やBig4税理士法人の年収

税理士試験の、科目合格者やBig4税理士法人の年収相場を解説します。

  • 税理士1科目合格者の年収
  • 税理士2科目合格者の年収
  • 税理士3科目合格者の年収
  • 税理士4科目合格者の年収
  • Big4税理士法人の年収

もちろん、転職先によって大幅に変わってくるところなので、あくまで参考程度に捉えておきましょう。

税理士1科目合格者の年収

税理士1科目合格者の平均年収は約420万円で、日本の正社員の平均年収413万円と同じくらいです。

平均年収を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれ意見が分かれるところですが、就職のしやすさを考えれば十分に効果があると見てよいでしょう。

税理士2科目合格者の年収

税理士2科目合格者の平均年収は約446万円で、正社員の平均年収以上の金額となります。

1科目あたり15万円程度の上がり幅なので、目安としてみてください。

税理士3科目合格者の年収

税理士3科目合格者の平均年収は約480万円です。

3科目以上合格していると、会計事務所などでも即戦力として採用されやすくなるので、転職のタイミングとしてもおすすめです。

税理士4科目合格者の年収

税理士4科目合格者の平均年収は約495万円です。

税理士資格の取得まであと一歩というところなので、実務経験を積むために早めに転職活動を始めるのも良いでしょう。

会計関連職は資格も重要ですが、実務経験も重視されます。

5科目合格しても実務経験がないと採用されない可能性もあるので、年齢が高く経験の無い方は早めに転職活動を進めるのがおすすめです。

Big4税理士法人の年収

大手税理法人である「BIG4」は以下の4つで、それぞれの初任給の目安も紹介します。

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BIG4初任給年収
EY税理士法人450~600万円程度
KPMG税理士法人480~600万円程度
デロイト トーマツ税理士法人500~600万円程度
PwC税理士法人500~600万円程度
 参考:MsAgent「Big4税理士法人の年収は本当に高い?その後のキャリアなど」

こちらは税理士資格を取得している方向けですが、3科目程度の合格者の年収とそう大差無いことが見てとれます。

もちろん、税理士資格所持者と科目合格者では、その後のキャリアアップや昇級などに違いが出ることはあるでしょう。

しかし、科目合格者であってもスタート時点では大きく差はないので、実務経験を積みながら資格取得を目指すのはおすすめです。

税理士試験の科目合格者が評価される求人や転職先

税理士試験の科目合格者が評価される求人や転職先

税理士試験の科目合格者が評価される求人や転職先を紹介します。

  • 一般企業の会計・税務部門
  • 税理士事務所や税理士法人
  • 財務や税務・経営戦略に関連するコンサルティングファーム

基本的には、税理士の資格取得後に転職先として選択肢に挙がるようなところが対象となります。

待遇面では税理士資格を持っている方よりもランクは下がる可能性が高いですが、それでも転職に有利であることには代わりないので参考にしてください。

一般企業の会計・税務部門

一般企業の会計・税務部門においては、科目合格者は戦力として需要があります。

専門知識が必要な経理部門などは、科目合格とはいえ、会計知識を持つ裏付けとして採用時に有効です。

ただし、どの科目に合格しているかは重要なポイントです。

会計部門と税務部門では必要な知識が異なるため、転職活動時にはどの部門の業務を担当するのか確認しましょう。

特に、一般企業では税に関わる業務を税理士と顧問契約してお願いしている場合が多いです。

税務に関する知識を活かすなら、自社で申告書類や決算書類の作成を行っている企業が良いでしょう。

税理士事務所や税理士法人

税理士法人や税理士事務所であれば、科目合格者は税理士補助としてポテンシャル採用される場合があります。

特に複数科目合格している場合は即戦力としても採用され、資格取得後は税理士として働くことを期待されるでしょう。

科目合格者で、かつ実務経験があればさらに転職できる確率が高まるはずです。

また、税理士事務所や税理士法人の求人が増えるのは例年以下の時期となっています。

  • 税理士試験終了後(8月後半頃)
  • 税理士試験合格発表後(12月頃)
  • 2~3月の繁忙期を終えた時期(4月~6月頃)

転職を考えている方は、上記の時期に活動してみてはいかがでしょうか。

財務や税務・経営戦略に関連するコンサルティングファーム

コンサルティングファームにおいても、科目合格者は転職に有利です。

M&Aなどでは、事業承継や相続など高度な税務に関する知識が必要となります。

実務においては経営戦略についての知識やコミュニケーション能力など、他のスキルも求められますが、税務の知識もアピールポイントとなるので挑戦してみてください。

税理士科目合格者が転職を成功させる5つのポイント

税理士科目合格者が転職を成功させる5つのポイント

税理士科目の合格者が転職を成功させる5つのポイントを解説します。

  • 事務所のリサーチをしっかりする
  • 毎年1科目以上の合格を目指して勉強する
  • 合格科目に合わせて事務所を選ぶ
  • 転職理由をはっきりさせる
  • 実務経験をアピールする

実際に転職活動を行う場合は、上記の点を意識して行ってみてください。

事務所のリサーチをしっかりする

応募先の事務所が、どのような業務を行う事務所なのかは事前にリサーチが必要です。

税理士事務所や会計事務所など、一口に言っても携わる業務内容はさまざまです。

地域密着型で個人事業主や地域の企業における顧問税理士をしたり、事業承継や相続税といった専門性の高い業務に特化した場合など、事務所ごとに特色があります。

税理士資格取得に向けて学習を進めるうちに、得意な科目や分野が出てくるはずなので自身に合った事務所を選択しましょう。

毎年1科目以上の合格を目指して勉強する

働きながら税理士資格の取得を目指す場合、毎年1科目の合格を目指して勉強してみましょう。

税理士資格は5科目合格することで取得可能で、一度合格した科目の有効期限はありません。

1年で5科目合格する必要は無いため、長期スパンでゴールを設定するのがおすすめです。

ただし、その後のキャリアを考えるとあまりにも長期に渡って学習するのはやめておきましょう。

まずは1科目、余裕があれば2科目程度を目指してみてはいかがでしょうか。

合格科目に合わせて事務所を選ぶ

合格した科目に合わせて事務所を選ぶのもおすすめです。

たとえば、 「簿記論」や「財務諸表論」の科目合格者であれば、知識の範囲が広く事業会社の経理から税理事務所の実務まで幅広く活用できます。

一方で、「相続税法」といった専門的な科目に合格した場合は、資産税などに特化した税務を請け負う事務所へ転職できる可能性が広がります。

募集要項やヒアリングなどの際に、求められる科目が記載されている場合があるので、よく確認してみてください。

転職理由をはっきりさせる

なぜ転職するのかは、面接の際に必ず聞かれるので理由をはっきりとさせておきましょう。

これまでの経歴や税理士の資格の学習をしている理由など、自身が転職して何故その事務所を選ぶのかを論理的に説明できることが重要です。

いくら科目合格者や税理士資格を持っている方でも、曖昧な答えだと転職がうまくいかない場合もあるので面接対策は行いましょう。

多くの転職エージェントでは、面接や職務経歴書の対策を一緒に行ってくれるので活用してください。

実務経験をアピールする

税務・会計といった分野では実務経験も重視されます。

そのため科目合格者であっても、実務経験が豊富なら採用される確率は上がるでしょう。

実務経験が1年以上あったり、複数のクライアントを抱えていたりなど、実際の業務をひと通りこなせることをアピールしましょう。

仮に複数回入退職を繰り返している場合でも、キャリアアップの展望やストーリーをしっかりと説明できればプラスに評価してもらえる可能性もあります。

税理士試験の科目合格者におすすめな転職エージェント3選

税理士試験の科目合格者におすすめな転職エージェント3選

税理士試験の科目合格者におすすめな転職エージェントを3つ紹介します。

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サービス名ヒュープロMSAgentマイナビ税理士
全求人数11,000件以上15,000件以上1,500件以上
税理士の公開求人数約5,000件約1,300件約780件
得意な求人・税理士法人・事業会社・士業・事業会社・士業・事業会社・士業
対応地域全国全国全国
特徴・税務/会計に特化
・税理士/公認会計士の求人が業界最大級
・対応のスピード感が早い
・業界最大級の求人掲載数
・業界トップクラスの実績
・管理部門/士業の転職に強み
・税理士専門
・大手マイナビが運営

いずれも全国に展開する大手転職エージェントなので、迷ったときは上記から登録するのがおすすめです。

ヒュープロ

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サービス名ヒュープロ
全求人数11,000件以上
税理士の公開求人数約5,000件
得意な求人・税理士法人
・事業会社
・士業
対応地域全国
特徴・税務/会計に特化
・税理士/公認会計士の求人が業界最大級
・対応のスピード感が早い

ヒュープロは、公開求人数が5,000件以上と業界でも最大級で、税理士法人の求人も多数あるのが強みの転職エージェントです。

科目合格者を対象とした求人もあるので、税理資格取得を目指して学習している方にもおすすめとなっています。

専任のエージェントによるサポートで、オンラインや電話などで対応してくれるため仕事が忙しくて時間が取れない方でも転職活動しやすいのが利点です。

また、AIを活用して最適な求人を抽出して紹介してくれる機能があるため、募集を全て見て回る手間が無いのもポイントです。

求人数が多いとその分転職できる可能性が高まるので、どこに登録するか迷う方はまずはヒュープロから検討してみてください。

MSAgent

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サービス名MSAgent
全求人数15,000件以上
税理士の公開求人数約1,300件
得意な求人・事業会社
・士業
対応地域全国
特徴・業界最大級の求人掲載数
・業界トップクラスの実績
・管理部門/士業の転職に強み

MSAgentは、特に管理部門や士業の求人に強みを持つ転職エージェントです。

職種ごとに、その業界に精通した専任のアドバイザーがつくため、その業界に特化した面接対策などが行えるのがメリットとなっています。

科目合格者の求人はもちろんのこと、科目合格者向けに個別相談会が定期的に実施されているのが特徴です。

現在税理士という方だけでなく、これから税理士を目指す方にも使いやすいエージェントとなっています。

運営歴も30年以上と実績が豊富なため安心して利用してください。

税理士法人や会計事務所だけでなく、事業会社などへの転職を検討している方は利用してみましょう。

マイナビ税理士

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サービス名マイナビ税理士
全求人数1,500件以上
税理士の公開求人数約780件
得意な求人・事業会社
・士業
対応地域全国
特徴・税理士専門
・大手マイナビが運営

マイナビ税理士は、大手転職サイトのマイナビが運営する、税理士に特化した転職エージェントです。

税理士の転職は当然ですが、科目合格者向けの求人も特集ページとして提供しています。

合格科目数が1科目という方でも十分に活用できるでしょう。

税理士に特化したエージェントなので、担当するキャリアアドバイザーが応募先に合った履歴書の添削や面接対策を行ってくれます。

業界でも最大手クラスの企業が運営しているので、大手に任せたいという方は利用しましょう。

税理士試験の科目合格者はヒュープロで転職先を探そう

税理士試験の科目合格者はヒュープロで転職先を探そう

本記事では、税理士試験の科目合格者におすすめの転職エージェントを解説しました。

科目合格者でも転職においては売り手市場で、有利に働くはずです。

特に、3科目以上の合格者については即戦力として期待されるため転職が成功する確率が高まります。

どの科目に合格しているかも重要なので、応募先の税理士法人や企業の募集要項をよく確認しましょう。

また、どの転職エージェントに登録するか迷う場合は、業界最大級の求人数と豊富な実績で安心感があるヒュープロがおすすめです。

運営企業

株式会社エキセントが運営する「会計士&税理士の転職比較ガイド」は、会計士や税理士、または短答式試験合格者、科目合格者、経理経験者の方を対象にしたメディアです。特化型転職サイトや転職エージェントの比較情報をわかりやすくお届けしています。

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